[st-w04] 一 秋の思 – 狐のわざ Posted on 1897年8月1日 by 島崎 藤村 庭にかくるゝ小狐の 人なきときに夜いでて 秋の葡萄の樹の影に しのびてぬすむつゆのふさ 恋は狐にあらねども 君は葡萄にあらねども 人しれずこそ忍びいで 君をぬすめる吾心