長き文
三年のうちに三度来ぬ
我の書きしは四度にかあらむ
Monthly Archives: 12月 1910
[it-i233] 忘れがたき人人 – 二 (21)
石狩の都の外の
君が家
林檎の花の散りてやあらむ
[it-i232] 忘れがたき人人 – 二 (20)
わかれ来て年を重ねて
年ごとに恋しくなれる
君にしあるかな
[it-i231] 忘れがたき人人 – 二 (19)
時として
君を思へば
安かりし心にはかに騒ぐかなしさ
[it-i230] 忘れがたき人人 – 二 (18)
死ぬまでに一度会はむと
言ひやらば
君もかすかにうなづくらむか
[it-i229] 忘れがたき人人 – 二 (17)
しみじみと
物うち語る友もあれ
君のことなど語り出でなむ
[it-i228] 忘れがたき人人 – 二 (16)
いそがしき生活のなかの
時折のこの物おもひ
誰のためぞも
[it-i227] 忘れがたき人人 – 二 (15)
かの声を最一度聴かば
すっきりと
胸や霽れむと今朝も思へる
[it-i226] 忘れがたき人人 – 二 (14)
君に似し姿を街に見る時の
こころ躍りを
あはれと思へ
[it-i225] 忘れがたき人人 – 二 (13)
病むと聞き
癒えしと聞きて
四百里のこなたに我はうつつなかりし