何がなく
初恋人のおくつきに詣づるごとし。
郊外に来ぬ。
Category Archives: 短歌
[it-i150] 忘れがたき人人 – 一 (49)
あらそひて
いたく憎みて別れたる
友をなつかしく思ふ日も来ぬ
[it-i054] 煙 – 二 (7)
わかれをれば妹いとしも
赤き緒の
下駄など欲しとわめく子なりし
[it-i173] 忘れがたき人人 – 一 (72)
ごおと鳴る凩のあと
乾きたる雪舞ひ立ちて
林を包めり
[it-k081] 古手紙よ!
古手紙よ!
あの男とも、五年前は、
かほど親しく交はりしかな。
[it-i123] 忘れがたき人人 – 一 (22)
巻煙草口にくはへて
浪あらき
磯の夜霧に立ちし女よ
[it-i120] 忘れがたき人人 – 一 (19)
函館の臥牛の山の半腹の
碑の漢詩も
なかば忘れぬ
[it-i186] 忘れがたき人人 – 一 (85)
酒のめば悲しみ一時に湧き来るを
寐て夢みぬを
うれしとはせし
[it-k007] 旅を思ふ夫の心!
旅を思ふ夫の心!
叱り、泣く、妻子の心!
朝の食卓!
[it-i184] 忘れがたき人人 – 一 (83)
顔とこゑ
それのみ昔に変らざる友にも会ひき
国の果にて