かれらは青ざめたしやつぽをかぶり
うすぐらい尻尾の先を曳きずつて歩きまはる
そしてみよ そいつの陰欝なしやべるが泥土を掘るではないか。
ああ草の根株は掘つくりかへされ
どこもかしこも曇暗な日ざしがかげつている。
なんといふ退屈な人生だらう
ふしぎな葬式のやうに列をつくつて 大きな建物の影へ出這入りする
この幽霊のやうにさびしい影だ
硝子のぴかぴかするかなしい野外で
どれも青ざめた紙のしやつぽをかぶり
ぞろぞろと蛇の卵のやうにつながつてくる さびしい囚人の群ではないか。
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[it-k078] 原稿紙にでなくては
原稿紙にでなくては
字を書かぬものと、
かたく信ずる我が児のあどけなさ!
[it-i115] 忘れがたき人人 – 一 (14)
あたらしき洋書の紙の
香をかぎて
一途に金を欲しと思ひしが