この生づくりにされたからだは
きれいに しめやかに なまめかしくも彩色されてる
その胸も その唇も その顔も その腕も
ああ みなどこもしつとりと膏油や刷毛で塗られている。
やさしい五月の死びとよ
わたしは緑金の蛇のやうにのたうちながら
ねばりけのあるものを感触し
さうして「死」の絨毯に肌身をこすりねりつけた。
Tag Archives: 金
[it-k167] あてもなき金などを待つ思ひかな
あてもなき金などを待つ思ひかな。
寝つ起きつして、
今日も暮したり。
[it-k069] 何故かうかとなさけなくなり
何故かうかとなさけなくなり、
弱い心を何度も叱り、
金かりに行く。
[it-i115] 忘れがたき人人 – 一 (14)
あたらしき洋書の紙の
香をかぎて
一途に金を欲しと思ひしが
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あはれ我がノスタルジヤは
金のごと
心に照れり清くしみらに