巻煙草口にくはへて
浪あらき
磯の夜霧に立ちし女よ
Tag Archives: 女
[it-i134] 忘れがたき人人 – 一 (33)
真夜中の
倶知安駅に下りゆきし
女の鬢の古き痍あと
[it-i187] 忘れがたき人人 – 一 (86)
出しぬけの女の笑ひ
身に沁みき
厨に酒の凍る真夜中
[it-i188] 忘れがたき人人 – 一 (87)
わが酔ひに心いためて
うたはざる女ありしが
いかになれるや
[it-i189] 忘れがたき人人 – 一 (88)
小奴といひし女の
やはらかき
耳朶なども忘れがたかり
[it-i190] 忘れがたき人人 – 一 (89)
よりそひて
深夜の雪の中に立つ
女の右手のあたたかさかな
[it-i191] 忘れがたき人人 – 一 (90)
死にたくはないかと言へば
これ見よと
咽喉の痍を見せし女かな
[it-i208] 忘れがたき人人 – 一 (107)
郷里にゐて
身投げせしことありといふ
女の三味にうたへるゆふべ
[it-i069] 煙 – 二 (22)
ある年の盆の祭に
衣貸さむ踊れと言ひし
女を思ふ
[it-i211] 忘れがたき人人 – 一 (110)
わが室に女泣きしを
小説のなかの事かと
おもひ出づる日