汝が痩せしからだはすべて
謀叛気のかたまりなりと
いはれてしこと
Monthly Archives: 12月 1910
[it-i143] 忘れがたき人人 – 一 (42)
世わたりの拙きことを
ひそかにも
誇りとしたる我にやはあらぬ
[it-i142] 忘れがたき人人 – 一 (41)
いささかの銭借りてゆきし
わが友の
後姿の肩の雪かな
[it-i141] 忘れがたき人人 – 一 (40)
泣くがごと首ふるはせて
手の相を見せよといひし
易者もありき
[it-i140] 忘れがたき人人 – 一 (39)
かなしきは小樽の町よ
歌ふことなき人人の
声の荒さよ
[it-i139] 忘れがたき人人 – 一 (38)
石狩の美国といへる停車場の
柵に乾してありし
赤き布片かな
[it-i138] 忘れがたき人人 – 一 (37)
わが宿の姉と妹のいさかひに
初夜過ぎゆきし
札幌の雨
[it-i137] 忘れがたき人人 – 一 (36)
しんとして幅広き街の
秋の夜の
玉蜀黍の焼くるにほひよ
[it-i136] 忘れがたき人人 – 一 (35)
アカシヤの街にポプラに
秋の風
吹くがかなしと日記に残れり
[it-i135] 忘れがたき人人 – 一 (34)
札幌に
かの秋われの持てゆきし
しかして今も持てるかなしみ