お菓子貰ふ時も忘れて、
二階より、
町の往来を眺むる子かな。
Category Archives: 短歌
[it-k156] 時として
時として、
あらん限りの声を出し、
唱歌をうたふ子をほめてみる。
[it-k028] なつかしき
なつかしき
故郷にかへる思ひあり、
久し振りにて汽車に乗りしに。
[it-i104] 忘れがたき人人 – 一 (3)
三度ほど
汽車の窓よりながめたる町の名なども
したしかりけり
[it-k157] 何思ひけむ
何思ひけむ――
玩具をすてておとなしく、
わが側に来て子の坐りたる。
[it-i136] 忘れがたき人人 – 一 (35)
アカシヤの街にポプラに
秋の風
吹くがかなしと日記に残れり
[it-k125] 運命の来て乗れるかと
運命の来て乗れるかと
うたがひぬ――
蒲団の重き夜半の寝覚めに。
[it-i115] 忘れがたき人人 – 一 (14)
あたらしき洋書の紙の
香をかぎて
一途に金を欲しと思ひしが
[it-i001] 煙 – 一 (1)
病のごと
思郷のこころ湧く日なり
目にあをぞらの煙かなしも
[it-k038] 腹の底より欠伸もよほし
腹の底より欠伸もよほし
ながながと欠伸してみぬ、
今年の元日。