笑ふにも笑はれざりき――
長いこと捜したナイフの
手の中にありしに。
Tag Archives: 手
[it-k133] いつとなく記憶に残りぬ
いつとなく記憶に残りぬ――
Fといふ看護婦の手の
つめたさなども。
[it-k050] 手を打ちて
手を打ちて
眠気の返事きくまでの
そのもどかしさに似たるもどかしさ!
[it-k132] 脈をとる手のふるひこそ
脈をとる手のふるひこそ
かなしけれ――
医者に叱られし若き看護婦!
[it-k022] 手も足もはなればなれにあるごとき
手も足もはなればなれにあるごとき
ものうき寝覚!
かなしき寝覚!
[it-k142] いつとなく我にあゆみ寄り
いつとなく我にあゆみ寄り、
手を握り、
またいつとなく去りゆく人人!
[it-k116] 廻診の医者の遅さよ!
廻診の医者の遅さよ!
痛みある胸に手をおきて
かたく眼をとづ。
[it-k094] 脉をとる看護婦の手の
脉をとる看護婦の手の、
あたたかき日あり、
つめたく堅き日もあり。
[it-i038] 煙 – 一 (38)
興来れば
友なみだ垂れ手を揮りて
酔漢のごとくなりて語りき
[it-i079] 煙 – 二 (32)
我ゆきて手をとれば
泣きてしづまりき
酔ひて荒れしそのかみの友