みよすべての罪はしるされたり、
されどすべては我にあらざりき、
まことにわれに現はれしは、
かげなき青き炎の幻影のみ、
雪の上に消えさる哀傷の幽霊のみ、
ああかかる日のせつなる懺悔をも何かせむ、
すべては青きほのほの幻影のみ。
Tag Archives: 何
[it-k002] 眼閉づれど
眼閉づれど、
心にうかぶ何もなし。
さびしくも、また、眼をあけるかな。
[it-k165] 何か、かう、書いてみたくなりて
何か、かう、書いてみたくなりて、
ペンを取りぬ――
花活の花あたらしき朝。
[it-k069] 何故かうかとなさけなくなり
何故かうかとなさけなくなり、
弱い心を何度も叱り、
金かりに行く。
[it-k157] 何思ひけむ
何思ひけむ――
玩具をすてておとなしく、
わが側に来て子の坐りたる。
[it-k185] 何がなしに
何がなしに
肺が小さくなれる如く思ひて起きぬ――
秋近き朝。
[it-k180] 茶まで断ちて
茶まで断ちて、
わが平復を祈りたまふ
母の今日また何か怒れる。
[it-k111] 何か一つ
何か一つ
大いなる悪事しておいて、
知らぬ顔してゐたき気持かな。
[it-k084] そうれみろ
そうれみろ、
あの人も子をこしらへたと、
何か気の済む心地にて寝る。
[it-k061] 百姓の多くは酒をやめしといふ
百姓の多くは酒をやめしといふ。
もっと困らば、
何をやめるらむ。