みよすべての罪はしるされたり、
されどすべては我にあらざりき、
まことにわれに現はれしは、
かげなき青き炎の幻影のみ、
雪の上に消えさる哀傷の幽霊のみ、
ああかかる日のせつなる懺悔をも何かせむ、
すべては青きほのほの幻影のみ。
Tag Archives: 何
[it-k084] そうれみろ
そうれみろ、
あの人も子をこしらへたと、
何か気の済む心地にて寝る。
[it-k061] 百姓の多くは酒をやめしといふ
百姓の多くは酒をやめしといふ。
もっと困らば、
何をやめるらむ。
[it-k027] 何がなく
何がなく
初恋人のおくつきに詣づるごとし。
郊外に来ぬ。
[it-k026] 誰か我を
誰か我を
思ふ存分叱りつくる人あれと思ふ。
何の心ぞ。
[it-k138] かなしくも
かなしくも、
病いゆるを願はざる心我に在り。
何の心ぞ。
[it-k117] 医者の顔色をぢっと見し外に
医者の顔色をぢっと見し外に
何も見ざりき――
胸の痛み募る日。
[it-k172] 何か一つ騒ぎを起してみたかりし
何か一つ騒ぎを起してみたかりし、
先刻の我を
いとしと思へる。
[it-k002] 眼閉づれど
眼閉づれど、
心にうかぶ何もなし。
さびしくも、また、眼をあけるかな。
[it-k165] 何か、かう、書いてみたくなりて
何か、かう、書いてみたくなりて、
ペンを取りぬ――
花活の花あたらしき朝。