むやむやと
口の中にてたふとげの事を呟く
乞食もありき
Category Archives: 短歌
[it-k180] 茶まで断ちて
茶まで断ちて、
わが平復を祈りたまふ
母の今日また何か怒れる。
[it-k173] 五歳になる子に、何故ともなく
五歳になる子に、何故ともなく、
ソニヤといふ露西亜名をつけて、
呼びてはよろこぶ。
[it-k152] いつも子を
いつも子を
うるさきものに思ひゐし間に、
その子、五歳になれり。
[it-i044] 煙 – 一 (44)
わが妻のむかしの願ひ
音楽のことにかかりき
今はうたはず
[it-k049] ぢっとして
ぢっとして、
蜜柑のつゆに染まりたる爪を見つむる
心もとなさ!
[it-k028] なつかしき
なつかしき
故郷にかへる思ひあり、
久し振りにて汽車に乗りしに。
[it-i003] 煙 – 一 (3)
青空に消えゆく煙
さびしくも消えゆく煙
われにし似るか
[it-i195] 忘れがたき人人 – 一 (94)
いかにせしと言へば
あをじろき酔ひざめの
面に強ひて笑みをつくりき
[it-i129] 忘れがたき人人 – 一 (28)
若くして
数人の父となりし友
子なきがごとく酔へばうたひき