風にふかれる葦のやうに
私の心は弱弱しく いつも恐れにふるへている
女よ
おまへの美しい精悍の右腕で
私のからだをがつしりと抱いてくれ
このふるへる病気の心を しづかにしづかになだめてくれ
ただ抱きしめてくれ私のからだを
ひつたりと肩によりそひながら
私の弱弱しい心臓の上に
おまへのかはゆらしい あたたかい手をおいてくれ
ああ 心臓のここのところに手をあてて
女よ
さうしておまへは私に話しておくれ
涙にぬれたやさしい言葉で
「よい子よ
恐れるな なにものをも恐れなさるな
あなたは健康で幸福だ
なにものがあなたの心をおびやかさうとも あなたはおびえてはなりません
ただ遠方をみつめなさい
めばたきをしなさるな
めばたきをするならば あなたの弱弱しい心は鳥のやうに飛んで行つてしまふのだ
いつもしつかりと私のそばによりそつて
私のこの健康な心臓を
このうつくしい手を
この胸を この腕を
さうしてこの精悍の乳房をしつかりと。」
Tag Archives: 子
[it-k105] 病院に来て
病院に来て、
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[it-k157] 何思ひけむ
何思ひけむ――
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時として、
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「労働者」「革命」などといふ言葉を
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その親にも、
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[it-k152] いつも子を
いつも子を
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[it-k151] まくら辺に子を坐らせて
まくら辺に子を坐らせて、
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[it-k150] すこやかに
すこやかに、
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[it-k181] 今日ひょっと近所の子等と遊びたくなり
今日ひょっと近所の子等と遊びたくなり、
呼べど来らず。
こころむづかし。