世におこなひがたき事のみ考へる
われの頭よ!
今年もしかるか。
Category Archives: 短歌
[it-i136] 忘れがたき人人 – 一 (35)
アカシヤの街にポプラに
秋の風
吹くがかなしと日記に残れり
[it-k032] 朝寝して新聞読む間なかりしを
朝寝して新聞読む間なかりしを
負債のごとく
今日も感ずる。
[it-i141] 忘れがたき人人 – 一 (40)
泣くがごと首ふるはせて
手の相を見せよといひし
易者もありき
[it-i062] 煙 – 二 (15)
ふるさとを出で来し子等の
相会ひて
よろこぶにまさるかなしみはなし
[it-i215] 忘れがたき人人 – 二 (3)
さりげなく言ひし言葉は
さりげなく君も聴きつらむ
それだけのこと
[it-i146] 忘れがたき人人 – 一 (45)
椅子をもて我を撃たむと身構へし
かの友の酔ひも
今は醒めつらむ
[it-k089] 真夜中にふと目がさめて
真夜中にふと目がさめて、
わけもなく泣きたくなりて、
蒲団をかぶれる。
[it-i020] 煙 – 一 (20)
ストライキ思ひ出でても
今は早や吾が血躍らず
ひそかに淋し
[it-i201] 忘れがたき人人 – 一 (100)
さらさらと氷の屑が
波に鳴る
磯の月夜のゆきかへりかな