飴売のチャルメラ聴けば
うしなひし
をさなき心ひろへるごとし
Category Archives: 短歌
[it-k039] いつの年も
いつの年も、
似たよな歌を二つ三つ
年賀の文に書いてよこす友。
[it-k176] 俺ひとり下宿屋にやりてくれぬかと
俺ひとり下宿屋にやりてくれぬかと、
今日もあやふく、
いひ出でしかな。
[it-k174] 解けがたき
解けがたき
不和のあひだに身を処して、
ひとりかなしく今日も怒れり。
[it-k096] 何となく自分をえらい人のやうに
何となく自分をえらい人のやうに
思ひてゐたりき。
子供なりしかな。
[it-i185] 忘れがたき人人 – 一 (84)
あはれかの国のはてにて
酒のみき
かなしみの滓を啜るごとくに
[it-i135] 忘れがたき人人 – 一 (34)
札幌に
かの秋われの持てゆきし
しかして今も持てるかなしみ
[it-k179] ただ一人の
ただ一人の
をとこの子なる我はかく育てり。
父母もかなしかるらむ。
[it-i043] 煙 – 一 (43)
近眼にて
おどけし歌をよみ出でし
茂雄の恋もかなしかりしか
[it-i148] 忘れがたき人人 – 一 (47)
殴らむといふに
殴れとつめよせし
昔の我のいとほしきかな