病院の窓によりつつ、
いろいろの人の
元気に歩くを眺む。
Tag Archives: 人
[it-k040] 正月の四日になりて
正月の四日になりて
あの人の
年に一度の葉書も来にけり。
[it-k096] 何となく自分をえらい人のやうに
何となく自分をえらい人のやうに
思ひてゐたりき。
子供なりしかな。
[it-k113] 氷嚢の下より
氷嚢の下より
まなこ光らせて、
寝られぬ夜は人をにくめる。
[it-k093] 夜おそく何処やらの室の騒がしきは
夜おそく何処やらの室の騒がしきは
人や死にたらむと、
息をひそむる。
[it-k064] 自分よりも年若き人に
自分よりも年若き人に、
半日も気焔を吐きて、
つかれし心!
[it-k070] 待てど待てど
待てど待てど、
来る筈の人の来ぬ日なりき、
机の位置を此処に変へしは。
[it-k063] 人とともに事をはかるに
人とともに事をはかるに
適せざる、
わが性格を思ふ寝覚かな。
[it-k042] 人がみな
人がみな
同じ方角に向いて行く。
それを横より見てゐる心。
[it-k012] 何となく
何となく、
今朝は少しく、わが心明るきごとし。
手の爪を切る。
何となく、
今年はよい事あるごとし。
元日の朝、晴れて風無し。
何となく、
案外に多き気もせらる、
自分と同じこと思ふ人。
何となく、
自分を嘘のかたまりの如く思ひて、
目をばつぶれる。