人がみな
同じ方角に向いて行く。
それを横より見てゐる心。
Tag Archives: 人
[it-k012] 何となく
何となく、
今朝は少しく、わが心明るきごとし。
手の爪を切る。
何となく、
今年はよい事あるごとし。
元日の朝、晴れて風無し。
何となく、
案外に多き気もせらる、
自分と同じこと思ふ人。
何となく、
自分を嘘のかたまりの如く思ひて、
目をばつぶれる。
[it-k179] ただ一人の
ただ一人の
をとこの子なる我はかく育てり。
父母もかなしかるらむ。
[it-k084] そうれみろ
そうれみろ、
あの人も子をこしらへたと、
何か気の済む心地にて寝る。
[it-k060] Yといふ符牒
Yといふ符牒、
古日記の処処にあり――
Yとはあの人の事なりしかな。
[it-k188] クリストを人なりといへば
クリストを人なりといへば、
妹の眼がかなしくも、
われをあはれむ。
[it-k056] いろいろの人の思はく
いろいろの人の思はく
はかりかねて、
今日もおとなしく暮らしたるかな。
[it-k026] 誰か我を
誰か我を
思ふ存分叱りつくる人あれと思ふ。
何の心ぞ。
[it-k008] 家を出て五町ばかりは
家を出て五町ばかりは、
用のある人のごとくに
歩いてみたれど――
[it-k101] 病院の窓によりつつ
病院の窓によりつつ、
いろいろの人の
元気に歩くを眺む。