考へれば、
ほんとに欲しと思ふこと有るやうで無し。
煙管をみがく。
Tag Archives: 無い
[it-i071] 煙 – 二 (24)
我と共に
栗毛の仔馬走らせし
母の無き子の盗癖かな
[it-i156] 忘れがたき人人 – 一 (55)
治まれる世の事無さに
飽きたりといひし頃こそ
かなしかりけれ
[st-w32] 三 生のあけぼの – 酔歌
旅と旅との君や我
君と我とのなかなれば
酔ふて袂の歌草を
醒めての君に見せばやな
若き命も過ぎぬ間に
楽しき春は老いやすし
誰が身にもてる宝ぞや
君くれないのかほばせは
君がまなこに涙あり
君が眉には憂愁あり
堅く結べるその口に
それ声も無きなげきあり
名もなき道を説くなかれ
名もなき旅を行くなかれ
甲斐なきことをなげくより
来りて美き酒に泣け
光もあらぬ春の日の
独りさみしきものぐるひ
悲しき味の世の智恵に
老いにけらしな旅人よ
心の春の燭火に
若き命を照らし見よ
さくまを待たで花散らば
哀しからずや君が身は
わきめもふらで急ぎ行く
君の行衛はいづこぞや
琴花酒のあるものを
とゞまりたまへ旅人よ