宗次郎に
おかねが泣きて口説き居り
大根の花白きゆふぐれ
Category Archives: 短歌
[it-k077] この四五年
この四五年、
空を仰ぐといふことが一度もなかりき。
かうもなるものか?
[it-i043] 煙 – 一 (43)
近眼にて
おどけし歌をよみ出でし
茂雄の恋もかなしかりしか
[it-k122] 胸いたみ
胸いたみ、
春の霙の降る日なり。
薬に噎せて、伏して眼をとづ。
[it-i173] 忘れがたき人人 – 一 (72)
ごおと鳴る凩のあと
乾きたる雪舞ひ立ちて
林を包めり
[it-i186] 忘れがたき人人 – 一 (85)
酒のめば悲しみ一時に湧き来るを
寐て夢みぬを
うれしとはせし
[it-k058] 石狩の空知郡の
石狩の空知郡の
牧場のお嫁さんより送り来し
バタかな。
[it-k118] 病みてあれば心も弱るらむ!
病みてあれば心も弱るらむ!
さまざまの
泣きたきことが胸にあつまる。
[it-k106] もう嘘をいはじと思ひき
もう嘘をいはじと思ひき――
それは今朝――
今また一つ嘘をいへるかな。
[it-i062] 煙 – 二 (15)
ふるさとを出で来し子等の
相会ひて
よろこぶにまさるかなしみはなし