しみじみと
物うち語る友もあれ
君のことなど語り出でなむ
Category Archives: 短歌
[it-k039] いつの年も
いつの年も、
似たよな歌を二つ三つ
年賀の文に書いてよこす友。
[it-k044] ぢりぢりと
ぢりぢりと、
蝋燭の燃えつくるごとく、
夜となりたる大晦日かな。
[it-i054] 煙 – 二 (7)
わかれをれば妹いとしも
赤き緒の
下駄など欲しとわめく子なりし
[it-k178] かなしきは我が父!
かなしきは我が父!
今日も新聞を読みあきて、
庭に小蟻と遊べり。
[it-i082] 煙 – 二 (35)
ほたる狩
川にゆかむといふ我を
山路にさそふ人にてありき
[it-i194] 忘れがたき人人 – 一 (93)
死ぬばかり我が酔ふをまちて
いろいろの
かなしきことを囁きし人
[it-i199] 忘れがたき人人 – 一 (98)
きしきしと寒さに踏めば板軋む
かへりの廊下の
不意のくちづけ
[it-i204] 忘れがたき人人 – 一 (103)
吸ふごとに
鼻がぴたりと凍りつく
寒き空気を吸ひたくなりぬ
[it-k011] なつかしき冬の朝かな
なつかしき冬の朝かな。
湯をのめば、
湯気がやはらかに、顔にかかれり。