師も友も知らで責めにき
謎に似る
わが学業のおこたりの因
Category Archives: 短歌
[it-k033] よごれたる手をみる
よごれたる手をみる――
ちゃうど
この頃の自分の心に対ふがごとし。
[it-i004] 煙 – 一 (4)
かの旅の汽車の車掌が
ゆくりなくも
我が中学の友なりしかな
[it-i068] 煙 – 二 (21)
千代治等も長じて恋し
子を挙げぬ
わが旅にしてなせしごとくに
[it-i205] 忘れがたき人人 – 一 (104)
波もなき二月の湾に
白塗の
外国船が低く浮かべり
[it-k065] 珍らしく、今日は
珍らしく、今日は、
議会を罵りつつ涙出でたり。
うれしと思ふ。
[it-i013] 煙 – 一 (13)
われと共に
小鳥に石を投げて遊ぶ
後備大尉の子もありしかな
[it-i231] 忘れがたき人人 – 二 (19)
時として
君を思へば
安かりし心にはかに騒ぐかなしさ
[it-k107] 今までのことを
今までのことを
みな嘘にしてみれど、
心すこしも慰まざりき。
[it-k159] 新しきインクの匂ひ
新しきインクの匂ひ、
目に沁むもかなしや。
いつか庭の青めり。