われと共に
小鳥に石を投げて遊ぶ
後備大尉の子もありしかな
Category Archives: 短歌
[it-i145] 忘れがたき人人 – 一 (44)
かの年のかの新聞の
初雪の記事を書きしは
我なりしかな
[it-k046] 何となく明日はよき事あるごとく
何となく明日はよき事あるごとく
思ふ心を
叱りて眠る。
[it-k115] 人間のその最大のかなしみが
人間のその最大のかなしみが
これかと
ふっと目をばつぶれる。
[it-i138] 忘れがたき人人 – 一 (37)
わが宿の姉と妹のいさかひに
初夜過ぎゆきし
札幌の雨
[it-i018] 煙 – 一 (18)
今は亡き姉の恋人のおとうとと
なかよくせしを
かなしと思ふ
[it-i047] 煙 – 一 (47)
糸切れし紙鳶のごとくに
若き日の心かろくも
とびさりしかな
[it-k160] ひとところ、畳を見つめてありし間の
ひとところ、畳を見つめてありし間の
その思ひを、
妻よ、語れといふか。
[it-k124] 子を叱る、あはれ、この心よ
子を叱る、あはれ、この心よ。
熱高き日の癖とのみ
妻よ、思ふな。
[it-k151] まくら辺に子を坐らせて
まくら辺に子を坐らせて、
まじまじとその顔を見れば、
逃げてゆきしかな。