やや遠きものに思ひし
テロリストの悲しき心も――
近づく日のあり。
Category Archives: 短歌
[it-i031] 煙 – 一 (31)
自が才に身をあやまちし人のこと
かたりきかせし
師もありしかな
[it-k037] 戸の面には羽子突く音す
戸の面には羽子突く音す。
笑う声す。
去年の正月にかへれるごとし。
[it-i114] 忘れがたき人人 – 一 (13)
ふるさとの
麦のかをりを懐かしむ
女の眉にこころひかれき
[it-i174] 忘れがたき人人 – 一 (73)
空知川雪に埋れて
鳥も見えず
岸辺の林に人ひとりゐき
[it-k141] ボロオヂンといふ露西亜名が
ボロオヂンといふ露西亜名が、
何故ともなく、
幾度も思ひ出さるる日なり。
[it-k181] 今日ひょっと近所の子等と遊びたくなり
今日ひょっと近所の子等と遊びたくなり、
呼べど来らず。
こころむづかし。
[it-i186] 忘れがたき人人 – 一 (85)
酒のめば悲しみ一時に湧き来るを
寐て夢みぬを
うれしとはせし
[it-k028] なつかしき
なつかしき
故郷にかへる思ひあり、
久し振りにて汽車に乗りしに。
[it-k183] 買ひおきし
買ひおきし
薬つきたる朝に来し
友のなさけの為替のかなしさ。