城址の
石に腰掛け
禁制の木の実をひとり味ひしこと
Category Archives: 短歌
[it-k054] 神様と議論して泣きし
神様と議論して泣きし――
あの夢よ!
四日ばかりも前の朝なりし。
[it-k175] 猫を飼はば
猫を飼はば、
その猫がまた争ひの種となるらむ、
かなしきわが家。
[it-i072] 煙 – 二 (25)
大形の被布の模様の赤き花
今も目に見ゆ
六歳の日の恋
[it-i146] 忘れがたき人人 – 一 (45)
椅子をもて我を撃たむと身構へし
かの友の酔ひも
今は醒めつらむ
[it-k015] 二晩おきに
二晩おきに、
夜の一時頃に切通の坂を上りしも――
勤めなればかな。
[it-i009] 煙 – 一 (9)
かなしみといはばいふべき
物の味
我の嘗めしはあまりに早かり
[it-i205] 忘れがたき人人 – 一 (104)
波もなき二月の湾に
白塗の
外国船が低く浮かべり
[it-k037] 戸の面には羽子突く音す
戸の面には羽子突く音す。
笑う声す。
去年の正月にかへれるごとし。
[it-i193] 忘れがたき人人 – 一 (92)
舞へといへば立ちて舞ひにき
おのづから
悪酒の酔ひにたふるるまでも