遊びに出て子供かへらず、
取り出して
走らせて見る玩具の機関車。
Category Archives: 短歌
[it-k030] 考へれば
考へれば、
ほんとに欲しと思ふこと有るやうで無し。
煙管をみがく。
[it-k067] あやまちて茶碗をこはし
あやまちて茶碗をこはし、
物をこはす気持のよさを、
今朝も思へる。
[it-k137] わが病の
わが病の
その因るところ深く且つ遠きを思ふ。
目をとぢて思ふ。
[it-i112] 忘れがたき人人 – 一 (11)
友われに飯を与へき
その友に背きし我の
性のかなしさ
[it-i164] 忘れがたき人人 – 一 (63)
わかれ来てふと瞬けば
ゆくりなく
つめたきものの頬をつたへり
[it-k046] 何となく明日はよき事あるごとく
何となく明日はよき事あるごとく
思ふ心を
叱りて眠る。
[it-i043] 煙 – 一 (43)
近眼にて
おどけし歌をよみ出でし
茂雄の恋もかなしかりしか
[it-i122] 忘れがたき人人 – 一 (21)
とるに足らぬ男と思へと言ふごとく
山に入りにき
神のごとき友
[it-i180] 忘れがたき人人 – 一 (79)
何事も思ふことなく
日一日
汽車のひびきに心まかせぬ