やはらかに柳あをめる
北上の岸辺目に見ゆ
泣けとごとくに
Category Archives: 短歌
[it-k125] 運命の来て乗れるかと
運命の来て乗れるかと
うたがひぬ――
蒲団の重き夜半の寝覚めに。
[it-i120] 忘れがたき人人 – 一 (19)
函館の臥牛の山の半腹の
碑の漢詩も
なかば忘れぬ
[it-k046] 何となく明日はよき事あるごとく
何となく明日はよき事あるごとく
思ふ心を
叱りて眠る。
[it-i051] 煙 – 二 (4)
亡くなれる師がその昔
たまひたる
地理の本など取りいでて見る
[it-k065] 珍らしく、今日は
珍らしく、今日は、
議会を罵りつつ涙出でたり。
うれしと思ふ。
[it-i090] 煙 – 二 (43)
あはれかの男のごときたましひよ
今は何処に
何を思ふや
[it-k104] 看護婦の徹夜するまで
看護婦の徹夜するまで、
わが病ひ、
わるくなれとも、ひそかに願へる。
[it-k120] 今日はなぜか
今日はなぜか、
二度も、三度も、
金側の時計を一つ欲しと思へり。
[it-k019] すっきりと酔ひのさめたる心地よさよ!
すっきりと酔ひのさめたる心地よさよ!
夜中に起きて、
墨を磨るかな。