病みて四月――
そのときどきに変りたる
くすりの味もなつかしきかな。
病みて四月――
その間にも、猶、目に見えて、
わが子の背丈のびしかなしみ。
Tag Archives: 目
[it-k115] 人間のその最大のかなしみが
人間のその最大のかなしみが
これかと
ふっと目をばつぶれる。
[it-k148] いつしかに夏となれりけり
いつしかに夏となれりけり。
やみあがりの目にこころよき
雨の明るさ!
[it-k018] 何事か今我つぶやけり
何事か今我つぶやけり。
かく思ひ、
目をうちつぶり、酔ひを味ふ。
[it-k145] かかる目に
かかる目に
すでに幾度会へることぞ!
成るがままに成れと今は思ふなり。
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病のごと
思郷のこころ湧く日なり
目にあをぞらの煙かなしも
[it-i064] 煙 – 二 (17)
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泣けとごとくに
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大形の被布の模様の赤き花
今も目に見ゆ
六歳の日の恋
[it-i108] 忘れがたき人人 – 一 (7)
目を閉ぢて
傷心の句を誦してゐし
友の手紙のおどけ悲しも
[it-i217] 忘れがたき人人 – 二 (5)
世の中の明るさのみを吸ふごとき
黒き瞳の
今も目にあり