待てど待てど、
来る筈の人の来ぬ日なりき、
机の位置を此処に変へしは。
Monthly Archives: 6月 1912
[it-k069] 何故かうかとなさけなくなり
何故かうかとなさけなくなり、
弱い心を何度も叱り、
金かりに行く。
[it-k068] 猫の耳を引っぱりてみて
猫の耳を引っぱりてみて、
にゃと啼けば、
びっくりして喜ぶ子供の顔かな。
[it-k067] あやまちて茶碗をこはし
あやまちて茶碗をこはし、
物をこはす気持のよさを、
今朝も思へる。
[it-k066] ひと晩に咲かせてみむと
ひと晩に咲かせてみむと、
梅の鉢を火に焙りしが、
咲かざりしかな。
[it-k065] 珍らしく、今日は
珍らしく、今日は、
議会を罵りつつ涙出でたり。
うれしと思ふ。
[it-k064] 自分よりも年若き人に
自分よりも年若き人に、
半日も気焔を吐きて、
つかれし心!
[it-k063] 人とともに事をはかるに
人とともに事をはかるに
適せざる、
わが性格を思ふ寝覚かな。
[it-k062] 目さまして直ぐの心よ!
目さまして直ぐの心よ!
年よりの家出の記事にも
涙出でたり。
[it-k061] 百姓の多くは酒をやめしといふ
百姓の多くは酒をやめしといふ。
もっと困らば、
何をやめるらむ。