重い荷を下したやうな、
気持なりき、
この寝台の上に来ていねしとき。
Category Archives: 短歌
[it-k082] 名は何と言ひけむ
名は何と言ひけむ。
姓は鈴木なりき。
今はどうして何処にゐるらむ。
[it-i037] 煙 – 一 (37)
先んじて恋のあまさと
かなしさを知りし我なり
先んじて老ゆ
[it-i228] 忘れがたき人人 – 二 (16)
いそがしき生活のなかの
時折のこの物おもひ
誰のためぞも
[it-k060] Yといふ符牒
Yといふ符牒、
古日記の処処にあり――
Yとはあの人の事なりしかな。
[it-i132] 忘れがたき人人 – 一 (31)
雨に濡れし夜汽車の窓に
映りたる
山間の町のともしびの色
[it-i223] 忘れがたき人人 – 二 (11)
山の子の
山を思ふがごとくにも
かなしき時は君を思へり
[it-i109] 忘れがたき人人 – 一 (8)
をさなき時
橋の欄干に糞塗りし
話も友はかなしみてしき
[it-k096] 何となく自分をえらい人のやうに
何となく自分をえらい人のやうに
思ひてゐたりき。
子供なりしかな。
[it-i153] 忘れがたき人人 – 一 (52)
平手もて
吹雪にぬれし顔を拭く
友共産を主義とせりけり