ふるさとを出で来し子等の
相会ひて
よろこぶにまさるかなしみはなし
Category Archives: 短歌
[it-i234] 忘れがたき人人 – 二 (22)
長き文
三年のうちに三度来ぬ
我の書きしは四度にかあらむ
[it-k099] びっしょりと寝汗出てゐる
びっしょりと寝汗出てゐる
あけがたの
まだ覚めやらぬ重きかなしみ。
[it-k140] 薬のむことを忘るるを
薬のむことを忘るるを、
それとなく、
たのしみに思ふ長病かな。
[it-i005] 煙 – 一 (5)
ほとばしる喞筒の水の
心地よさよ
しばしは若きこころもて見る
[it-i177] 忘れがたき人人 – 一 (76)
うたふごと駅の名呼びし
柔和なる
若き駅夫の眼をも忘れず
[it-i122] 忘れがたき人人 – 一 (21)
とるに足らぬ男と思へと言ふごとく
山に入りにき
神のごとき友
[it-i125] 忘れがたき人人 – 一 (24)
大川の水の面を見るごとに
郁雨よ
君のなやみを思ふ
[it-k169] 或る市にゐし頃の事として
或る市にゐし頃の事として、
友の語る
恋がたりに嘘の交るかなしさ。
[it-k126] たへがたき渇き覚ゆれど
たへがたき渇き覚ゆれど、
手をのべて
林檎とるだにものうき日かな。