途中にてふと気が変り、
つとめ先を休みて、今日も、
河岸をさまよへり。
Category Archives: 短歌
[it-k014] 途中にて乗換の電車なくなりしに
途中にて乗換の電車なくなりしに、
泣かうかと思ひき。
雨も降りてゐき。
[it-k013] うっとりと
うっとりと
本の挿絵に眺め入り、
煙草の煙吹きかけてみる。
[it-k042] 人がみな
人がみな
同じ方角に向いて行く。
それを横より見てゐる心。
[it-i002] 煙 – 一 (2)
己が名をほのかに呼びて
涙せし
十四の春にかへる術なし
[it-i149] 忘れがたき人人 – 一 (48)
汝三度
この咽喉に剣を擬したりと
彼告別の辞に言へりけり
[it-k148] いつしかに夏となれりけり
いつしかに夏となれりけり。
やみあがりの目にこころよき
雨の明るさ!
[it-i040] 煙 – 一 (40)
見よげなる年賀の文を書く人と
おもひ過ぎにき
三年ばかりは
[it-i110] 忘れがたき人人 – 一 (9)
おそらくは生涯妻をむかへじと
わらひし友よ
今もめとらず
[it-k078] 原稿紙にでなくては
原稿紙にでなくては
字を書かぬものと、
かたく信ずる我が児のあどけなさ!