亡くなれる師がその昔
たまひたる
地理の本など取りいでて見る
Category Archives: 短歌
[it-i095] 煙 – 二 (48)
ふるさとの土をわが踏めば
何がなしに足軽くなり
心重れり
[it-i180] 忘れがたき人人 – 一 (79)
何事も思ふことなく
日一日
汽車のひびきに心まかせぬ
[it-i007] 煙 – 一 (7)
教室の窓より遁げて
ただ一人
かの城址に寝に行きしかな
[it-k124] 子を叱る、あはれ、この心よ
子を叱る、あはれ、この心よ。
熱高き日の癖とのみ
妻よ、思ふな。
[it-k025] みすぼらしき郷里の新聞ひろげつつ
みすぼらしき郷里の新聞ひろげつつ、
誤植ひろへり。
今朝のかなしみ。
[it-i160] 忘れがたき人人 – 一 (59)
敵として憎みし友と
やや長く手をば握りき
わかれといふに
[it-k034] よごれたる手を洗ひし時の
よごれたる手を洗ひし時の
かすかなる満足が
今日の満足なりき。
[it-k027] 何がなく
何がなく
初恋人のおくつきに詣づるごとし。
郊外に来ぬ。
[it-i008] 煙 – 一 (8)
不来方のお城の草に寝ころびて
空に吸はれし
十五の心