いろいろの人の思はく
はかりかねて、
今日もおとなしく暮らしたるかな。
Category Archives: 短歌
[it-k187] ひる寝せし児の枕辺に
ひる寝せし児の枕辺に
人形を買ひ来てかざり、
ひとり楽しむ。
[it-i192] 忘れがたき人人 – 一 (91)
芸事も顔も
かれより優れたる
女あしざまに我を言へりとか
[it-i013] 煙 – 一 (13)
われと共に
小鳥に石を投げて遊ぶ
後備大尉の子もありしかな
[it-i100] 煙 – 二 (53)
ふるさとの停車場路の
川ばたの
胡桃の下に小石拾へり
[it-i178] 忘れがたき人人 – 一 (77)
雪のなか
処処に屋根見えて
煙突の煙うすくも空にまよへり
[it-k024] 曠野ゆく汽車のごとくに
曠野ゆく汽車のごとくに、
このなやみ、
ときどき我の心を通る。
[it-i050] 煙 – 二 (3)
ふと思ふ
ふるさとにゐて日毎聴きし雀の鳴くを
三年聴かざり
[it-k052] すっぽりと蒲団をかぶり
すっぽりと蒲団をかぶり、
足をちぢめ、
舌を出してみぬ、誰にともなしに。
[it-i092] 煙 – 二 (45)
わが村に
初めてイエス・クリストの道を説きたる
若き女かな