その後に我を捨てし友も
あの頃は共に書読み
ともに遊びき
Category Archives: 短歌
[it-k052] すっぽりと蒲団をかぶり
すっぽりと蒲団をかぶり、
足をちぢめ、
舌を出してみぬ、誰にともなしに。
[it-k121] いつか是非、出さんと思ふ本のこと
いつか是非、出さんと思ふ本のこと、
表紙のことなど、
妻に語れる。
[it-i104] 忘れがたき人人 – 一 (3)
三度ほど
汽車の窓よりながめたる町の名なども
したしかりけり
[it-i010] 煙 – 一 (10)
晴れし空仰げばいつも
口笛を吹きたくなりて
吹きてあそびき
[it-k061] 百姓の多くは酒をやめしといふ
百姓の多くは酒をやめしといふ。
もっと困らば、
何をやめるらむ。
[it-i194] 忘れがたき人人 – 一 (93)
死ぬばかり我が酔ふをまちて
いろいろの
かなしきことを囁きし人
[it-k079] どうかかうか、今月も無事に暮らしたりと
どうかかうか、今月も無事に暮らしたりと、
外に欲もなき
晦日の晩かな。
[it-i116] 忘れがたき人人 – 一 (15)
しらなみの寄せて騒げる
函館の大森浜に
思ひしことども
[it-i177] 忘れがたき人人 – 一 (76)
うたふごと駅の名呼びし
柔和なる
若き駅夫の眼をも忘れず