何がなく
初恋人のおくつきに詣づるごとし。
郊外に来ぬ。
Tag Archives: 何
[it-k026] 誰か我を
誰か我を
思ふ存分叱りつくる人あれと思ふ。
何の心ぞ。
[it-k138] かなしくも
かなしくも、
病いゆるを願はざる心我に在り。
何の心ぞ。
[it-k117] 医者の顔色をぢっと見し外に
医者の顔色をぢっと見し外に
何も見ざりき――
胸の痛み募る日。
[it-k172] 何か一つ騒ぎを起してみたかりし
何か一つ騒ぎを起してみたかりし、
先刻の我を
いとしと思へる。
[it-i090] 煙 – 二 (43)
あはれかの男のごときたましひよ
今は何処に
何を思ふや
[it-i095] 煙 – 二 (48)
ふるさとの土をわが踏めば
何がなしに足軽くなり
心重れり
[st-w47] 四 深林の逍遥、其他 – 流星
門にたち出でたゞひとり
人待ち顔のさみしさに
ゆふべの空をながむれば
雲の宿りも捨てはてて
何かこひしき人の世に
流れて落つる星一つ
[st-w49] 四 深林の逍遥、其他 – 昼の夢
花橘の袖の香の
みめうるはしきをとめごは
真昼に夢を見てしより
さめて忘るゝ夜のならひ
白日の夢のなぞもかく
忘れがたくはありけるものか
ゆめと知りせばなまなかに
さめざらましを世に出でて
うらわかぐさのうらわかみ
何をか夢の名残ぞと
問はゞ答へん目さめては
熱き涙のかわく間もなし