ぢりぢりと、
蝋燭の燃えつくるごとく、
夜となりたる大晦日かな。
Tag Archives: 夜
[it-i220] 忘れがたき人人 – 二 (8)
函館のかの焼跡を去りし夜の
こころ残りを
今も残しつ
[it-i011] 煙 – 一 (11)
夜寝ても口笛吹きぬ
口笛は
十五の我の歌にしありけり
[it-i046] 煙 – 一 (46)
わが恋を
はじめて友にうち明けし夜のことなど
思ひ出づる日
[it-i058] 煙 – 二 (11)
それとなく
郷里のことなど語り出でて
秋の夜に焼く餅のにほひかな
[it-i070] 煙 – 二 (23)
うすのろの兄と
不具の父もてる三太はかなし
夜も書読む
[it-i091] 煙 – 二 (44)
わが庭の白き躑躅を
薄月の夜に
折りゆきしことな忘れそ
[it-i098] 煙 – 二 (51)
かの家のかの窓にこそ
春の夜を
秀子とともに蛙聴きけれ
[it-i133] 忘れがたき人人 – 一 (32)
雨つよく降る夜の汽車の
たえまなく雫流るる
窓硝子かな
[it-i137] 忘れがたき人人 – 一 (36)
しんとして幅広き街の
秋の夜の
玉蜀黍の焼くるにほひよ