その後に我を捨てし友も
あの頃は共に書読み
ともに遊びき
Category Archives: 石川啄木
[it-i047] 煙 – 一 (47)
糸切れし紙鳶のごとくに
若き日の心かろくも
とびさりしかな
[it-i079] 煙 – 二 (32)
我ゆきて手をとれば
泣きてしづまりき
酔ひて荒れしそのかみの友
[it-i111] 忘れがたき人人 – 一 (10)
あはれかの
眼鏡の縁をさびしげに光らせてゐし
女教師よ
[it-i143] 忘れがたき人人 – 一 (42)
世わたりの拙きことを
ひそかにも
誇りとしたる我にやはあらぬ
[it-i175] 忘れがたき人人 – 一 (74)
寂莫を敵とし友とし
雪のなかに
長き一生を送る人もあり
[it-i207] 忘れがたき人人 – 一 (106)
神のごと
遠く姿をあらはせる
阿寒の山の雪のあけぼの
[it-i026] 煙 – 一 (26)
愁ひある少年の眼に羨みき
小鳥の飛ぶを
飛びてうたふを
[it-i058] 煙 – 二 (11)
それとなく
郷里のことなど語り出でて
秋の夜に焼く餅のにほひかな
[it-i090] 煙 – 二 (43)
あはれかの男のごときたましひよ
今は何処に
何を思ふや