あはれかの国のはてにて
酒のみき
かなしみの滓を啜るごとくに
Category Archives: 石川啄木
[it-i217] 忘れがたき人人 – 二 (5)
世の中の明るさのみを吸ふごとき
黒き瞳の
今も目にあり
[it-i004] 煙 – 一 (4)
かの旅の汽車の車掌が
ゆくりなくも
我が中学の友なりしかな
[it-i036] 煙 – 一 (36)
わがこころ
けふもひそかに泣かむとす
友みな己が道をあゆめり
[it-i068] 煙 – 二 (21)
千代治等も長じて恋し
子を挙げぬ
わが旅にしてなせしごとくに
[it-i100] 煙 – 二 (53)
ふるさとの停車場路の
川ばたの
胡桃の下に小石拾へり
[it-i132] 忘れがたき人人 – 一 (31)
雨に濡れし夜汽車の窓に
映りたる
山間の町のともしびの色
[it-i164] 忘れがたき人人 – 一 (63)
わかれ来てふと瞬けば
ゆくりなく
つめたきものの頬をつたへり
[it-i196] 忘れがたき人人 – 一 (95)
かなしきは
かの白玉のごとくなる腕に残せし
キスの痕かな
[it-i228] 忘れがたき人人 – 二 (16)
いそがしき生活のなかの
時折のこの物おもひ
誰のためぞも