酔ひてわがうつむく時も
水ほしと眼ひらく時も
呼びし名なりけり
Category Archives: 石川啄木
[it-i229] 忘れがたき人人 – 二 (17)
しみじみと
物うち語る友もあれ
君のことなど語り出でなむ
[it-i016] 煙 – 一 (16)
学校の図書庫の裏の秋の草
黄なる花咲きし
今も名知らず
[it-i048] 煙 – 二 (1)
ふるさとの訛なつかし
停車場の人ごみの中に
そを聴きにゆく
[it-i080] 煙 – 二 (33)
酒のめば
刀をぬきて妻を逐ふ教師もありき
村を遂はれき
[it-i112] 忘れがたき人人 – 一 (11)
友われに飯を与へき
その友に背きし我の
性のかなしさ
[it-i144] 忘れがたき人人 – 一 (43)
汝が痩せしからだはすべて
謀叛気のかたまりなりと
いはれてしこと
[it-i176] 忘れがたき人人 – 一 (75)
いたく汽車に疲れて猶も
きれぎれに思ふは
我のいとしさなりき
[it-i208] 忘れがたき人人 – 一 (107)
郷里にゐて
身投げせしことありといふ
女の三味にうたへるゆふべ
[it-i027] 煙 – 一 (27)
解剖せし
蚯蚓のいのちもかなしかり
かの校庭の木柵の下