きしきしと寒さに踏めば板軋む
かへりの廊下の
不意のくちづけ
Category Archives: 石川啄木
[it-i231] 忘れがたき人人 – 二 (19)
時として
君を思へば
安かりし心にはかに騒ぐかなしさ
[it-i018] 煙 – 一 (18)
今は亡き姉の恋人のおとうとと
なかよくせしを
かなしと思ふ
[it-i050] 煙 – 二 (3)
ふと思ふ
ふるさとにゐて日毎聴きし雀の鳴くを
三年聴かざり
[it-i082] 煙 – 二 (35)
ほたる狩
川にゆかむといふ我を
山路にさそふ人にてありき
[it-i114] 忘れがたき人人 – 一 (13)
ふるさとの
麦のかをりを懐かしむ
女の眉にこころひかれき
[it-i146] 忘れがたき人人 – 一 (45)
椅子をもて我を撃たむと身構へし
かの友の酔ひも
今は醒めつらむ
[it-i178] 忘れがたき人人 – 一 (77)
雪のなか
処処に屋根見えて
煙突の煙うすくも空にまよへり
[it-i210] 忘れがたき人人 – 一 (109)
よごれたる足袋穿く時の
気味わるき思ひに似たる
思出もあり
[it-i029] 煙 – 一 (29)
蘇峯の書を我に薦めし友早く
校を退きぬ
まづしさのため