あはれかの我の教へし
子等もまた
やがてふるさとを棄てて出づるらむ
Category Archives: 石川啄木
[it-i093] 煙 – 二 (46)
霧ふかき好摩の原の
停車場の
朝の虫こそすずろなりけれ
[it-i125] 忘れがたき人人 – 一 (24)
大川の水の面を見るごとに
郁雨よ
君のなやみを思ふ
[it-i157] 忘れがたき人人 – 一 (56)
共同の薬屋開き
儲けむといふ友なりき
詐欺せしといふ
[it-i189] 忘れがたき人人 – 一 (88)
小奴といひし女の
やはらかき
耳朶なども忘れがたかり
[it-i221] 忘れがたき人人 – 二 (9)
人がいふ
鬢のほつれのめでたさを
物書く時の君に見たりし
[it-i008] 煙 – 一 (8)
不来方のお城の草に寝ころびて
空に吸はれし
十五の心
[it-i040] 煙 – 一 (40)
見よげなる年賀の文を書く人と
おもひ過ぎにき
三年ばかりは
[it-i072] 煙 – 二 (25)
大形の被布の模様の赤き花
今も目に見ゆ
六歳の日の恋
[it-i104] 忘れがたき人人 – 一 (3)
三度ほど
汽車の窓よりながめたる町の名なども
したしかりけり