それとなく
その由るところ悲しまる、
元日の午後の眠たき心。
Category Archives: 短歌
[it-k018] 何事か今我つぶやけり
何事か今我つぶやけり。
かく思ひ、
目をうちつぶり、酔ひを味ふ。
[it-i131] 忘れがたき人人 – 一 (30)
呻噛み
夜汽車の窓に別れたる
別れが今は物足らぬかな
[it-i144] 忘れがたき人人 – 一 (43)
汝が痩せしからだはすべて
謀叛気のかたまりなりと
いはれてしこと
[it-i135] 忘れがたき人人 – 一 (34)
札幌に
かの秋われの持てゆきし
しかして今も持てるかなしみ
[it-k066] ひと晩に咲かせてみむと
ひと晩に咲かせてみむと、
梅の鉢を火に焙りしが、
咲かざりしかな。
[it-i210] 忘れがたき人人 – 一 (109)
よごれたる足袋穿く時の
気味わるき思ひに似たる
思出もあり
[it-i184] 忘れがたき人人 – 一 (83)
顔とこゑ
それのみ昔に変らざる友にも会ひき
国の果にて
[it-k171] 胸いたむ日のかなしみも
胸いたむ日のかなしみも、
かをりよき煙草の如く、
棄てがたきかな。
[it-k117] 医者の顔色をぢっと見し外に
医者の顔色をぢっと見し外に
何も見ざりき――
胸の痛み募る日。