ひややかに清き大理石に
春の日の静かに照るは
かかる思ひならむ
Category Archives: 短歌
[it-k046] 何となく明日はよき事あるごとく
何となく明日はよき事あるごとく
思ふ心を
叱りて眠る。
[it-i020] 煙 – 一 (20)
ストライキ思ひ出でても
今は早や吾が血躍らず
ひそかに淋し
[it-k109] うっとりとなりて
うっとりとなりて、
剣をさげ、馬にのれる己が姿を
胸に描ける。
[it-k185] 何がなしに
何がなしに
肺が小さくなれる如く思ひて起きぬ――
秋近き朝。
[it-i039] 煙 – 一 (39)
人ごみの中をわけ来る
わが友の
むかしながらの太き杖かな
[it-i051] 煙 – 二 (4)
亡くなれる師がその昔
たまひたる
地理の本など取りいでて見る
[it-i146] 忘れがたき人人 – 一 (45)
椅子をもて我を撃たむと身構へし
かの友の酔ひも
今は醒めつらむ
[it-i156] 忘れがたき人人 – 一 (55)
治まれる世の事無さに
飽きたりといひし頃こそ
かなしかりけれ
[it-k186] 秋近し!
秋近し!
電燈の球のぬくもりの
さはれば指の皮膚に親しき。