わがこころ
けふもひそかに泣かむとす
友みな己が道をあゆめり
Category Archives: 短歌
[it-k142] いつとなく我にあゆみ寄り
いつとなく我にあゆみ寄り、
手を握り、
またいつとなく去りゆく人人!
[it-k120] 今日はなぜか
今日はなぜか、
二度も、三度も、
金側の時計を一つ欲しと思へり。
[it-k105] 病院に来て
病院に来て、
妻や子をいつくしむ
まことの我にかへりけるかな。
[it-k047] 過ぎゆける一年のつかれ出しものか
過ぎゆける一年のつかれ出しものか、
元日といふに
うとうと眠し。
[it-i088] 煙 – 二 (41)
今日聞けば
かの幸うすきやもめ人
きたなき恋に身を入るるてふ
[it-k030] 考へれば
考へれば、
ほんとに欲しと思ふこと有るやうで無し。
煙管をみがく。
[it-i106] 忘れがたき人人 – 一 (5)
わがあとを追ひ来て
知れる人もなき
辺土に住みし母と妻かな
[it-i199] 忘れがたき人人 – 一 (98)
きしきしと寒さに踏めば板軋む
かへりの廊下の
不意のくちづけ
[it-i112] 忘れがたき人人 – 一 (11)
友われに飯を与へき
その友に背きし我の
性のかなしさ