かぎりなき知識の慾に燃ゆる眼を
姉は傷みき
人恋ふるかと
Category Archives: 短歌
[it-i035] 煙 – 一 (35)
眼を病みて黒き眼鏡をかけし頃
その頃よ
一人泣くをおぼえし
[it-i135] 忘れがたき人人 – 一 (34)
札幌に
かの秋われの持てゆきし
しかして今も持てるかなしみ
[it-k103] 思ふこと盗みきかるる如くにて
思ふこと盗みきかるる如くにて、
つと胸を引きぬ――
聴診器より。
[it-i012] 煙 – 一 (12)
よく叱る師ありき
髯の似たるより山羊と名づけて
口真似もしき
[it-i230] 忘れがたき人人 – 二 (18)
死ぬまでに一度会はむと
言ひやらば
君もかすかにうなづくらむか
[it-k075] 眠られぬ癖のかなしさよ!
眠られぬ癖のかなしさよ!
すこしでも
眠気がさせば、うろたへて寝る。
[it-k041] 世におこなひがたき事のみ考へる
世におこなひがたき事のみ考へる
われの頭よ!
今年もしかるか。
[it-i218] 忘れがたき人人 – 二 (6)
かの時に言ひそびれたる
大切の言葉は今も
胸にのこれど
[it-k124] 子を叱る、あはれ、この心よ
子を叱る、あはれ、この心よ。
熱高き日の癖とのみ
妻よ、思ふな。