ある年の盆の祭に
衣貸さむ踊れと言ひし
女を思ふ
Category Archives: 短歌
[it-k026] 誰か我を
誰か我を
思ふ存分叱りつくる人あれと思ふ。
何の心ぞ。
[it-k161] あの年のゆく春のころ
あの年のゆく春のころ、
眼をやみてかけし黒眼鏡――
こはしやしにけむ。
[it-i181] 忘れがたき人人 – 一 (80)
さいはての駅に下り立ち
雪あかり
さびしき町にあゆみ入りにき
[it-i226] 忘れがたき人人 – 二 (14)
君に似し姿を街に見る時の
こころ躍りを
あはれと思へ
[it-i070] 煙 – 二 (23)
うすのろの兄と
不具の父もてる三太はかなし
夜も書読む
[it-i233] 忘れがたき人人 – 二 (21)
石狩の都の外の
君が家
林檎の花の散りてやあらむ
[it-k183] 買ひおきし
買ひおきし
薬つきたる朝に来し
友のなさけの為替のかなしさ。
[it-i162] 忘れがたき人人 – 一 (61)
みぞれ降る
石狩の野の汽車に読みし
ツルゲエネフの物語かな
[it-i185] 忘れがたき人人 – 一 (84)
あはれかの国のはてにて
酒のみき
かなしみの滓を啜るごとくに