晴れし空仰げばいつも
口笛を吹きたくなりて
吹きてあそびき
Category Archives: 石川啄木
[it-i042] 煙 – 一 (42)
そのむかし秀才の名の高かりし
友牢にあり
秋のかぜ吹く
[it-i074] 煙 – 二 (27)
意地悪の大工の子などもかなしかり
戦に出でしが
生きてかへらず
[it-i106] 忘れがたき人人 – 一 (5)
わがあとを追ひ来て
知れる人もなき
辺土に住みし母と妻かな
[it-i138] 忘れがたき人人 – 一 (37)
わが宿の姉と妹のいさかひに
初夜過ぎゆきし
札幌の雨
[it-i170] 忘れがたき人人 – 一 (69)
伴なりしかの代議士の
口あける青き寐顔を
かなしと思ひき
[it-i202] 忘れがたき人人 – 一 (101)
死にしとかこのごろ聞きぬ
恋がたき
才あまりある男なりしが
[it-i234] 忘れがたき人人 – 二 (22)
長き文
三年のうちに三度来ぬ
我の書きしは四度にかあらむ
[it-i021] 煙 – 一 (21)
盛岡の中学校の
露台の
欄干に最一度我を倚らしめ
[it-i053] 煙 – 二 (6)
ふるさとの
かの路傍のすて石よ
今年も草に埋もれしらむ