ふと思ふ
ふるさとにゐて日毎聴きし雀の鳴くを
三年聴かざり
Author Archives: 石川啄木
[it-i049] 煙 – 二 (2)
やまひある獣のごとき
わがこころ
ふるさとのこと聞けばおとなし
[it-i048] 煙 – 二 (1)
ふるさとの訛なつかし
停車場の人ごみの中に
そを聴きにゆく
[it-i047] 煙 – 一 (47)
糸切れし紙鳶のごとくに
若き日の心かろくも
とびさりしかな
[it-i046] 煙 – 一 (46)
わが恋を
はじめて友にうち明けし夜のことなど
思ひ出づる日
[it-i030] 煙 – 一 (30)
おどけたる手つきをかしと
我のみはいつも笑ひき
博学の師を
[it-i029] 煙 – 一 (29)
蘇峯の書を我に薦めし友早く
校を退きぬ
まづしさのため
[it-i013] 煙 – 一 (13)
われと共に
小鳥に石を投げて遊ぶ
後備大尉の子もありしかな
[it-i012] 煙 – 一 (12)
よく叱る師ありき
髯の似たるより山羊と名づけて
口真似もしき
[it-i011] 煙 – 一 (11)
夜寝ても口笛吹きぬ
口笛は
十五の我の歌にしありけり