青空に消えゆく煙
さびしくも消えゆく煙
われにし似るか
Category Archives: 石川啄木
[it-i035] 煙 – 一 (35)
眼を病みて黒き眼鏡をかけし頃
その頃よ
一人泣くをおぼえし
[it-i067] 煙 – 二 (20)
小学の首席を我と争ひし
友のいとなむ
木賃宿かな
[it-i099] 煙 – 二 (52)
そのかみの神童の名の
かなしさよ
ふるさとに来て泣くはそのこと
[it-i131] 忘れがたき人人 – 一 (30)
呻噛み
夜汽車の窓に別れたる
別れが今は物足らぬかな
[it-i163] 忘れがたき人人 – 一 (62)
わが去れる後の噂を
おもひやる旅出はかなし
死ににゆくごと
[it-i195] 忘れがたき人人 – 一 (94)
いかにせしと言へば
あをじろき酔ひざめの
面に強ひて笑みをつくりき
[it-i227] 忘れがたき人人 – 二 (15)
かの声を最一度聴かば
すっきりと
胸や霽れむと今朝も思へる
[it-i014] 煙 – 一 (14)
城址の
石に腰掛け
禁制の木の実をひとり味ひしこと
[it-i046] 煙 – 一 (46)
わが恋を
はじめて友にうち明けし夜のことなど
思ひ出づる日