わが妻に着物縫はせし友ありし
冬早く来る
植民地かな
Category Archives: 短歌
[it-i107] 忘れがたき人人 – 一 (6)
船に酔ひてやさしくなれる
いもうとの眼見ゆ
津軽の海を思へば
[it-k186] 秋近し!
秋近し!
電燈の球のぬくもりの
さはれば指の皮膚に親しき。
[it-i175] 忘れがたき人人 – 一 (74)
寂莫を敵とし友とし
雪のなかに
長き一生を送る人もあり
[it-i220] 忘れがたき人人 – 二 (8)
函館のかの焼跡を去りし夜の
こころ残りを
今も残しつ
[it-i163] 忘れがたき人人 – 一 (62)
わが去れる後の噂を
おもひやる旅出はかなし
死ににゆくごと
[it-k168] 何もかもいやになりゆく
何もかもいやになりゆく
この気持よ。
思ひ出しては煙草を吸ふなり。
[it-i048] 煙 – 二 (1)
ふるさとの訛なつかし
停車場の人ごみの中に
そを聴きにゆく
[it-i114] 忘れがたき人人 – 一 (13)
ふるさとの
麦のかをりを懐かしむ
女の眉にこころひかれき
[it-k174] 解けがたき
解けがたき
不和のあひだに身を処して、
ひとりかなしく今日も怒れり。