五月の朝の新緑と薫風は私の生活を貴族にする。したたる空色の窓の下で、私の愛する女と共に純銀のふおうくを動かしたい。私の生活にもいつかは一度、あの空に光る、雲雀料理の愛の皿を盗んで喰べたい。
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[it-k134] はづれまで一度ゆきたしと
はづれまで一度ゆきたしと
思ひゐし
かの病院の長廊下かな。
[it-k040] 正月の四日になりて
正月の四日になりて
あの人の
年に一度の葉書も来にけり。
[it-k077] この四五年
この四五年、
空を仰ぐといふことが一度もなかりき。
かうもなるものか?
[it-k120] 今日はなぜか
今日はなぜか、
二度も、三度も、
金側の時計を一つ欲しと思へり。
[it-k069] 何故かうかとなさけなくなり
何故かうかとなさけなくなり、
弱い心を何度も叱り、
金かりに行く。
[it-i227] 忘れがたき人人 – 二 (15)
かの声を最一度聴かば
すっきりと
胸や霽れむと今朝も思へる
[it-i230] 忘れがたき人人 – 二 (18)
死ぬまでに一度会はむと
言ひやらば
君もかすかにうなづくらむか
[it-i234] 忘れがたき人人 – 二 (22)
長き文
三年のうちに三度来ぬ
我の書きしは四度にかあらむ
[it-i021] 煙 – 一 (21)
盛岡の中学校の
露台の
欄干に最一度我を倚らしめ