酒のめば悲しみ一時に湧き来るを
寐て夢みぬを
うれしとはせし
Tag Archives: 時
[it-i197] 忘れがたき人人 – 一 (96)
酔ひてわがうつむく時も
水ほしと眼ひらく時も
呼びし名なりけり
[it-i209] 忘れがたき人人 – 一 (108)
葡萄色の
古き手帳にのこりたる
かの会合の時と処かな
[it-i210] 忘れがたき人人 – 一 (109)
よごれたる足袋穿く時の
気味わるき思ひに似たる
思出もあり
[it-i218] 忘れがたき人人 – 二 (6)
かの時に言ひそびれたる
大切の言葉は今も
胸にのこれど
[st-w08] 一 秋の思 – 秋に隠れて
わが手に植えし白菊の
おのづからなる時くれば
一もと花の暮陰に
秋に隠れて窓にさくなり
[st-w33] 三 生のあけぼの – 二つの声
朝
たれか聞くらん朝の声
眠と夢を破りいで
彩なす雲にうちのりて
よろづの鳥に歌はれつ
天のかなたにあらはれて
東の空に光あり
そこに時あり始あり
そこに道あり力あり
そこに色あり詞あり
そこに声あり命あり
そこに名ありとうたひつゝ
みそらにあがり地にかけり
のこんの星ともろともに
光のうちに朝ぞ隠るゝ